壁が立ちはだかる『化物語』コスプレ衣装の版権
本日、講談社の法務部から申請を出していた『化物語』の版権に関しての連絡がありました。
結論から先に書きますと「却下」、版権は認められないとのことでした。プレゼンではかなり丁寧に話を聞いていただけていたため、これまでの出版社とは異なり少しは期待を込めていたのですが・・・非常に残念です。
その理由は、他の某企業さんが2月に同じ衣装を発売する予定のため、その会社が難色を示しているということです。そこがどこの企業さんか、というところまでは教えてはくれませんでしたが、おおよその見当はつきますし2月になれば明らかになります。たぶん、9,240円で発売予定になっているところです、価格からしてコスパさんではなく、あそこですかね・・・A社。というか、Webサイトにサンプル写真とともに2月発売としっかりと掲載されています。
他の化物語のコスプレ衣装とは色が違うと説明
同じ創作系のアニメグッズであるフィギュアが造形師によってそれぞれにデザインが変わるように、コスプレ衣装も設計する人によってその仕様が大きく変わることがあります。また、生地の種類や作り込みによって価格帯も大きく変わるのがコスプレ衣装です。
そこのところをA社の担当者に説明させて欲しいと懇願いたしましたが、講談社の担当者には説明していたものの、一応先方に聞いてみますけどもと取り次いでもらいましたがA社には伝わりませんでした。
コスプレ衣装では、「生地質」「価格帯」「細部の仕様」などの違いにより複数の仕様の衣装が出来上がるのが一般的です。コスプレイヤーはその中から、自分のイメージが一致する衣装を選択しています。
「公式」の衣装が唯一絶対であるのならば、100%のコスプレイヤーが公式衣装を購入しているはずです。ですが実際にはそのようにはなっていません。その理由としては、"公式"では満たされないものがあり、非公認の衣装には"ソレ"があるということになります。
つまるところ作品の受け取り方は千差万別、発信側が狙った通りにはいかないということでもあるわけです。コスプレ衣装の市場には複数の「選択肢」を提供することが必要であり、現在の版権システムではそれが出来ていないということになります。これは、版権元の出版社側も版権料の収入漏れという不幸なことにも繋がっており、その先には作品への資金の還流としての原作者の収入減があるのです。
既得権益の壁によりコスプレ衣装の版権取得を断念
掲示板などでは版権を取得していないコスプレ衣装を「海賊版」として非難する書き込みも見られますが、このように大手企業の公式衣装とは異なる仕様であったとしても認可が得られないケースもあるということです。
これは、一律に競合する商品は許さないという昔からの慣例、既得権益の確保というバイアスが働いているものと考えられます。版権申請への"不可"の回答の中に必ずあるのが、公式商品へ影響を及ぼすためというのがあるのです。
この大きな壁は、そう簡単には崩せないものでもあります。仮にA社の担当者と話ができたとして、その上の上司や役員レベルにまで及ぶ問題であることからも、一個人ではどうにもならない問題でもあります。
時間をかけてコスプレイヤーのユーザーレベルから、多くの仕様が存在し選択肢を求めているということを訴え続けていくしかありません。
版権申請にはオトナのルールが存在
今回は『化物語』の直江津高校制服の版権申請は断念しましたが、それよりも試作中のコスプレ衣装の写真をこのブログで出したことに対しての抗議を受けてしまいました。たぶん、12/30付の記事のことを指摘しているんだと思いますけど・・・
説明の如何によっては、検討の上で正式に抗議をするかもしれないとのこと。
これは、マズイ!えらいこっちゃ!?
現在、講談社さんの作品は扱ってはいませんが、このまま行ってしまうと今後扱えなくなります。(株)ガーデンさんも、過去に講談社さんからは無版権で販売していた『地獄少女』を指摘されたことがあり、現在は『ネギま!?』などを商品化していますので、今後のことを考えると適切な説明をする必要があります。
コスプレ衣装として考えた場合には、今後の大手出版社の作品は避けては通れない部分が多くあります。特に『ネギま!?』の制服衣装を探しているコスプレイヤーさん&カメラマンさんからは、結構な頻度でお問い合わせをいただきます。今回の『化物語』をきっかけにして、次は『ネギま!?』の版権取得を考えていただけに、、、
『化物語』の直江津高校制服の関連記事に関しては、
- 先行1次試作の段階であり、商品化できるまでにはまだ時間がかかるため申請と並行して公開したこと
- 試作中の写真を出したことはうかつだったこと
- アニメ、イラスト画像の使用も謝罪、掲載画像は撤去すること
といった説明をきちんとする必要はありそうです。
無版権からきちんと版権を取得してルールを遵守していこうという方針は、初めてだらけのことばかりなのでイロイロと試行錯誤です。
コスプレ衣装のECページで、アニメ画像を使用している中華系の販売業者がありますが、あれは極めて危険な行為となります。いかなる場合であっても、例え個人のSNSであっても画像の使用は許諾なしではダメです。
アニメ画像を許諾なしで貼っているコスプレ衣装の通販業者さんからは、購入しない方が賢明だと思います。
"オトナの事情"を少しは解っていただけましたでしょうか。
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公式コスプレ衣装が絶対ではない、非公認が無くならない理由
コスプレは"個性"を主張する趣味 コスプレをするということは、とある一つのキャラクターの完成形を目指して突き進むものと考 ...